この社会の性規範の象徴としての大阪経済大学学長

 大阪経済大(大阪市東淀川区)は10日、ラグビー部員3人が大麻取締法違反(譲り受け)容疑で逮捕されたほか、部員2人がアダルトビデオに出演していたことが分かったとして、同部を無期限活動停止にしたと発表した。

 大学によると、部員2人は「お金がほしくて出た」と話し、ビデオ出演を認めているという。大学は、学生の本分に反したとして2人を厳重注意。ほかにも、卒業した元部員2人が在学中に出演していたことが確認されたという。

 重森曉(あきら)学長は「学生3人が逮捕され、社会の皆さまにご迷惑をかけたことをおわびしたい。ビデオ出演は残念というか遺憾で、良識を欠いたあってはならない行為だ」と話した。

 大学によると、ラグビー部は1938年に創部し、全国大学選手権にも2度出場。現在は関西大学Bリーグに所属し、49人の部員がいる。

http://www.asahi.com/national/update/0711/OSK200907110082.html?ref=rss


よくある「部員の不祥事で連帯責任」のお話です。大麻の危険性のうんぬんかんぬんは別として、ここで気になったのは理由のなかにアダルトビデオ出演が入っていることです。まあ一般的にイメージが悪いのは間違えないでしょう。しかし、アダルトビデオ自体は違法ではありません(ああ、違法作品だった可能性はありますが)。しかもこの学長、

ビデオ出演は残念というか遺憾で、良識を欠いたあってはならない行為だ

と、かなり強い口調ですね。おまえ見たことないのかよ、と思ってしまいますがそれはいいとして、性的なものをまるで違法行為より忌むべきこととして扱っているのにはびっくりです。

とはいえ、これは本人の意見というより、世間からのバッシングを恐れて強く非難したというのが現実でしょう。前述の性的なものを忌む傾向はこの社会において広く「良識」となっています。そして、この良識は性的被害を訴えるものへのバッシングという「悪意」とも裏返しになっているでしょう。外に出してはいけない=何か問題があったのなら外に出してしまったという落ち度がある、みたいな(崩壊していますけど)論理なのでしょう。
訴えるためには性を表出することへの寛容さが社会に必要です。今のように「性を表出することは不寛容なのに性加害には寛容」なのは最悪ですよね。

あと、余談ですがそんなにアダルトビデオ出てほしくないなら学費下げればいいのではないかなと思いました。私立大学行きながらラグビーやるとなると相当かかるでしょうし、そのために出演した可能性も高いと思うのですよね。